数学部3年新井秀斗君、IMO(国際数学オリンピック)オスロ大会で銀メダルに輝く
2022.07.29
本校数学科賞である松岡文太郎賞をはじめ、数学にまつわる数々の栄誉を受賞してきた本校数学部3年の新井秀斗君が、IMO(国際数学オリンピック)の大舞台で銀メダルを受賞し、帰国しました。その喜びの声などを数学部顧問がインタビューしました。
数学部顧問(以下、K):新井君、お帰りなさい。IMOで銀メダル獲得という、偉業を成し遂げ、まさに凱旋帰国ですね。
新井君(以下、A):ありがとうございます。嬉しく、そしてほっとしています。
K:今回、どのような気持ちでオスロ入りしたのでしょうか。
A: IMOで好成績を取ることに集中するより、プログラムを全部楽しむ事を目標としました。
K:なるほど。数学部で行った「新井先輩IMO出場壮行会」のスピーチでもそれを、自分に言い聞かせるように話していたのが印象的だったのですが、初心貫徹というわけですね。オスロはどのような街でしたか?
数学部OBも駆けつけて行われた新井君渡欧の壮行会にて
A: 街並みが綺麗で良い街でした。競技会場は自然に囲まれたところにある建物であり、外の眺めが綺麗でした。
競技会場
K:国際試合ともなると、冷静さでなる新井君でも多少の緊張はありましたか。
A:幸い、あまり緊張しませんでした。
オープニングセレモニーにて。右端が新井君
K:日々の精進に裏打ちされた自信ゆえのことと推察します。競技はどのような形式でしたか?
A:競技は2日に分かれていました。両日共に試験時間は四時間半。出題は3問でした。
K:やはり数学競技の最高峰。知力と耐久力が問われるマラソンレースといったところですね。競技中の感想などを教えてください。
A:初日の第3問は、見た目がかなり面白い問題でしたが解ききれず、悔しい思いをしました。結果的には、両日とも3問中2問解けましたので満足しています。ただ今回は、全体的には平均点が高かったようなのでもう少し解きたかった気持ちもあります。
K:世界を舞台に、6題中4題を解けたということに驚きますが、それに飽き足らない気持ちもあるということに感嘆するばかりです。
A:今、振り返ってみると、2問解いた時点での気の緩みが良くなかったと思います。数学を学習する際の、気の持ちようの重要性を感じました。
K:このような競技大会や、国際会議ですと、開催地の観光やexcursionなどで参加者の親睦を図ることが常ですが、今回はいかがでしたか?
A:競技コンテスト以外に、参加者同士で交流する時間や観光をする時間がありました。
K:コミュニケーションは英語ですか?
A:はい。他国からの参加者は、概ね日本チームより英語が上手くて驚きでした。その中でも英語が苦手ながら果敢に話しかけてコミュニケーション力で英語力をカバーしている人もいてすごく刺激になりました。競技以外で学んだ大きな事柄の一つです。
K:レジャーなども楽しんだのでしょうか?
A:交流用の施設がありまして、私も色々な国の人とボードゲームや卓球などを楽しみました。特にSETというゲームは、それを楽しむために必要なコミュニケーション力をそう要求されなかったので、色々な人と楽しむことができました。
ブレイクタイムでのひとこま
K:改めて、IMOという世界の晴れ舞台での銀メダル獲得、おめでとうございます。まさに金字塔を打ち立てたといえると思います。2学期早々の部会での、新井君の帰朝報告を楽しみにしている本校生がいます。彼らへのメッセージを、最後にお願いします。
A:IMOではガイドの方や多くの大人の方々が同行してくださいました。その安心感はとても大きいものでした。それも含めて、改めて、自分がここまで来られたのは、多くの人々が支えてくださったお陰だなと思い、感謝の気持ちで一杯です。皆さんとこの気持ちを共有できることを希望します。
K:新井君、ありがとうございました。今後も数学に精進され、文運益々冴えわたらんことを祈念しております。今日はありがとうございました。
日本チームとスタッフの皆様
以上